A型事業所とB型事業所、何が違う?徹底比較!就労支援を成功させる秘訣とは?

A型事業所とB型事業所、どちらも障害のある方の就労を支援する場ですが、その違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、A型事業所とB型事業所の違いを分かりやすく解説します。雇用形態や賃金、労働時間といった基本的な違いはもちろん、利用者側・企業側それぞれのメリット・デメリット、支援内容、対象となる障害の種類まで、詳しく比較。

さらに、就労継続支援A型と就労移行支援の違いや、A型・B型事業所の選び方、利用できる助成金・補助金情報まで網羅的にご紹介します。この記事を読めば、それぞれの特性を理解し、ご自身やご家族に最適な事業所選びの判断材料が得られます。障害者雇用を考えている企業担当者の方にも、制度理解を深め、適切な雇用形態を選択するための有益な情報が満載です。

1. A型事業所とB型事業所、何が違う?特徴・メリット・デメリットを比較!

A型事業所とB型事業所は、どちらも障害のある方の就労を支援する福祉サービスですが、雇用形態や賃金、労働時間、支援内容などに違いがあります。この章では、A型事業所とB型事業所の主な違いを簡潔に解説します。どちらの事業所が自分に合っているのか、しっかりと理解するために、まずは基本的な違いを押さえましょう。

1.1 雇用形態と賃金

A型事業所は一般企業と同様に雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払う「雇用型」です。一方、B型事業所は雇用契約を結ばず、工賃を支払う「非雇用型」です。工賃は、作業量や作業内容に応じて支払われますが、最低賃金を下回る場合もあります。

1.2 労働時間と勤務形態

A型事業所は、一般企業と同様に、週40時間程度の勤務が一般的です。労働基準法が適用されるため、残業代や有給休暇なども保障されます。B型事業所は、利用者の状況に合わせて、柔軟な勤務時間や勤務日数を設定できます。 短時間勤務や週に数日だけの勤務も可能です。

1.3 支援内容

A型事業所は、一般就労への移行を目標とした、職業訓練や職場適応支援を提供しています。就職活動のサポートや、職場での人間関係の構築支援なども行います。B型事業所は、就労経験を積むことや、生活リズムを整えることを目的とした、軽作業や生活支援を提供しています。作業能力の向上や、社会生活 skillsの習得支援なども行います。

1.4 対象となる障害

A型事業所、B型事業所ともに、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、様々な障害のある方が利用できます。 障害の程度や特性に合わせた支援を提供しています。

1.5 違いを一覧で比較

項目A型事業所B型事業所
雇用形態雇用契約あり雇用契約なし
賃金最低賃金以上工賃(最低賃金以下も可)
労働時間一般企業と同様(週40時間程度)利用者の状況に合わせた柔軟な設定が可能
支援内容一般就労への移行支援、職業訓練、職場適応支援就労経験の提供、生活リズムの調整、生活支援
主な目的一般就労への移行就労継続、生活の質の向上
対象となる障害身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など

このように、A型事業所とB型事業所には、それぞれ異なる特徴があります。ご自身の状況や希望に合った事業所を選ぶことが大切です。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、最適な選択をしましょう。

2. A型事業所の詳細

A型事業所とは、一般企業への就職を目指す障害者の方々に、雇用契約を結んだ上で就労訓練を行うための福祉サービス事業所です。 就労継続支援A型 とも呼ばれ、障害者総合支援法に基づいて運営されています。

2.1 A型事業所の定義と特徴

A型事業所は、雇用契約 をベースとした就労訓練の場を提供します。 一般企業と同様に、最低賃金 が保障され、各種社会保険 にも加入できます。 就労時間は事業所によって異なりますが、週に数時間 からフルタイム まで、幅広い選択肢があります。 仕事内容は、事務作業清掃製造接客IT関連 など多岐に渡り、個々の能力や適性 に合わせた仕事を提供しています。 また、就職活動のサポート職場でのコミュニケーションスキル の指導など、一般企業への就職に必要なスキルを身につけるための訓練 を受けることができます。

2.2 A型事業所のメリット

2.2.1 利用者側のメリット

A型事業所を利用する上でのメリットは、安定した収入 を得ながら、一般就労に向けた準備 ができることです。 実務経験 を積みながら、ビジネスマナーコミュニケーション能力 を向上させることができます。 また、就職活動のサポート を受けることができ、履歴書の書き方面接対策 など、実践的な指導を受けることができます。 さらに、社会保険に加入 できるため、健康保険厚生年金 などの社会保障 を受けることができます。

2.2.2 企業側のメリット

企業側にとってのメリットは、障害者雇用の促進 につながることです。 A型事業所を活用することで、採用活動にかかるコスト研修費用 を削減できます。 また、障害者雇用に関する助成金 を受けることができる場合もあります。 さらに、社会貢献 として企業イメージの向上 にもつながります。

2.3 A型事業所のデメリット

2.3.1 利用者側のデメリット

A型事業所は最低賃金 が保障されているとはいえ、一般企業と比較すると賃金が低い 場合があります。 また、作業内容単調 である場合や、人間関係 に悩むケースもあります。 さらに、A型事業所での就労経験が、必ずしも一般企業への就職 につながるとは限りません。

2.3.2 企業側のデメリット

企業側にとってのデメリットは、A型事業所との連携手間 がかかる場合があることです。 また、雇用調整 が難しい場合もあります。 さらに、A型事業所を利用する障害者定着率 が低い場合、採用活動 を繰り返す必要が生じる可能性があります。

3. B型事業所の詳細

B型事業所は、一般企業への就職が困難な障害のある方が、自分のペースで働くことができる福祉サービス事業所です。就労経験を積む、生活リズムを整える、社会参加を通して自信をつけるなど、様々な目的で利用されています。A型事業所とは異なり、雇用契約を結ばないため、利用者は「従業員」ではなく「サービス利用者」という立場になります。 比較的軽度の作業や、自分のペースで作業を進められるため、就労経験のない方や、体力に不安のある方でも安心して利用できます。

3.1 B型事業所の定義と特徴

B型事業所は、障害者総合支援法に基づく「就労継続支援B型」事業所のことです。 雇用契約を結ばずに、利用者の能力や適性に合わせた作業を提供し、工賃(賃金に相当)を支払います。作業内容は、軽作業からPC作業、創作活動など多岐に渡ります。事業所によっては、農作業や清掃、飲食店の運営など、地域に根ざした活動を行っているところもあります。 作業時間は、利用者の状況に合わせて柔軟に設定できるのも特徴です。 一般企業への就職を目指すための訓練の場として利用される場合もあります。

3.2 B型事業所のメリット

3.2.1 利用者側のメリット

  • 自分のペースで働くことができる:体力や精神的な負担が少ないため、無理なく就労を継続できます。
  • 工賃を得ることができる:労働の対価として工賃を受け取ることができます。金額は作業内容や作業時間、事業所の経営状況などによって異なります。
  • 社会参加の機会が得られる:他者とのコミュニケーションや共同作業を通して、社会との繋がりを築くことができます。
  • 生活リズムを整えることができる:規則正しい生活を送ることで、心身の健康を維持することができます。
  • スキルアップを目指せる:事業所によっては、資格取得支援や職業訓練などのサービスを提供している場合があります。

3.2.2 企業側のメリット

  • 社会貢献:障害者雇用促進に貢献することができます。
  • 比較的低コストで人材を確保できる:B型事業所への委託費用は、一般社員の人件費と比較して低い傾向にあります。
  • 単純作業などを委託できる:軽作業や単純作業などをB型事業所に委託することで、自社の社員はコア業務に集中できます。
  • 企業イメージの向上:CSR活動の一環として、企業イメージの向上に繋がることが期待できます。

3.3 B型事業所のデメリット

3.3.1 利用者側のデメリット

  • 工賃が低い場合がある:A型事業所と比較して、工賃が低い傾向にあります。最低賃金は保障されていますが、生活していくには十分でない場合もあります。
  • 雇用契約ではない:社会保険や雇用保険などの適用がなく、福利厚生も限定的です。
  • キャリアアップの道が限られる:B型事業所での就労経験が、一般企業への就職に繋がる保証はありません。

3.3.2 企業側のデメリット

  • 生産性や品質管理に課題がある場合もある:利用者の状況によっては、作業の進捗や品質にばらつきが生じる可能性があります。そのため、綿密なコミュニケーションや適切な支援体制が必要となります。
  • 委託できる業務内容が限られる:高度な専門知識やスキルを必要とする業務は、委託が難しい場合があります。
項目内容
種類就労継続支援B型
目的一般就労が困難な障害者に対し、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その工賃獲得能力の向上と生活活動能力の向上に必要な訓練等の機会を提供する。
対象者身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などがある方で、一般企業への就労が困難な方
雇用形態非雇用型(サービス利用者)
工賃作業内容や時間に応じて支払われる(最低賃金の適用除外)
労働時間利用者の状況に合わせて柔軟に設定可能
サービス内容作業訓練、生活支援、社会生活技能訓練など

4. A型事業所とB型事業所を徹底比較!一覧表で分かりやすく解説

A型事業所とB型事業所、どちらも障害のある方の就労を支援する場ですが、その形態は大きく異なります。この章では、両者の違いを一覧表を用いて分かりやすく解説します。違いを正しく理解し、自分に合った事業所選びの参考にしてください。

4.1 雇用形態・賃金・労働時間

項目A型事業所B型事業所
雇用形態雇用契約を結び、従業員として雇用非雇用型で、雇用契約は結びません
賃金最低賃金以上の賃金が支払われます工賃(出来高制)が支払われます。最低賃金を下回る場合もあります
労働時間原則として一般企業と同様(実労働時間8時間/日程度)利用者の状況に合わせて柔軟に設定が可能(短時間勤務も可)
休憩時間労働基準法に則り、法定通り付与事業所によって規定が異なりますが、休憩時間あり

4.2 支援内容・サービス内容

項目A型事業所B型事業所
支援内容一般就労に必要な知識・能力向上のための訓練、職場定着支援など就労に向けた実践的なサポートが中心生活能力向上のための支援、就労訓練、作業補助など、個々の状況に合わせた支援
サービス内容データ入力、清掃、接客、製造など多様な職種があります軽作業、農作業、PC作業など、比較的軽度の作業が多い
通勤自身で通勤することが基本送迎サービスを提供している事業所も多い

4.3 対象となる障害

項目A型事業所B型事業所
対象となる障害身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、幅広い障害の方が対象身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、幅広い障害の方が対象
障害の程度一般就労を目指す、ある程度の就労能力を有する方が対象就労経験が浅い方や、重度の障害をお持ちの方でも利用可能

上記以外にも、A型事業所は雇用保険や社会保険に加入しますが、B型事業所は加入しません。また、A型事業所は一般企業への就職を目指すためのステップアップとして利用されることが多い一方、B型事業所は長期的な就労支援の場として利用されることが多いです。それぞれの特性を理解し、ご自身の状況に合った事業所を選択することが重要です。

5. 就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所の違い

就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所は、どちらも障害のある方の就労を支援する福祉サービスですが、目的やサービス内容が異なります。それぞれの違いを理解することで、自分に合った支援を選択することができます。

5.1 目的の違い

就労継続支援A型事業所は、一般企業への就職が難しい障害のある方に、雇用契約を結び、継続的な就労の場を提供することを目的としています。一方、就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指し、必要な知識やスキルを習得するための訓練を提供することを目的としています。

5.2 サービス内容の違い

就労継続支援A型事業所では、雇用契約に基づいた労働を行います。事業所内での作業や、企業への派遣など、様々な就労形態があります。最低賃金が保障され、各種社会保険にも加入できます。また、就労に必要な知識やスキルに関する訓練や、生活面でのサポートなども提供されます。

就労移行支援事業所では、一般企業への就職に必要な知識やスキルを身につけるための訓練が中心となります。ビジネスマナー、パソコン操作、コミュニケーションスキルなど、様々なプログラムが用意されています。また、職場実習の機会も提供され、実際の仕事環境を体験することができます。就職活動のサポートも行われ、履歴書の書き方や面接対策などの指導を受けることができます。さらに、就職後の定着支援も行われ、職場での悩みや不安を相談することができます。

5.3 利用期間の違い

就労継続支援A型事業所は、原則として利用期間に制限はありません。長期的に就労を継続することができます。一方、就労移行支援事業所は、原則として2年間の利用期間が設けられています。この期間内に一般企業への就職を目指します。

5.4 対象となる障害の違い

就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所は、どちらも身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、様々な障害のある方が利用できます。ただし、就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指すことが前提となるため、一定程度の就労意欲や能力が必要となります。

5.5 比較一覧表

項目就労継続支援A型事業所就労移行支援事業所
目的継続的な就労の場の提供一般企業への就職支援
サービス内容雇用契約に基づいた労働、就労訓練、生活支援就労訓練、職場実習、就職活動支援、定着支援
利用期間原則無制限原則2年間
雇用形態雇用契約訓練生
賃金最低賃金以上なし(訓練手当支給の場合あり)
社会保険加入原則非加入

このように、就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所は、それぞれ異なる特徴を持っています。自分の状況や希望に合った支援を選択することが重要です。それぞれの事業所の見学や相談を通して、自分に合った支援を見つけてください。

6. A型事業所とB型事業所の選び方

A型事業所とB型事業所、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。最適な事業所選びは、個々の状況や将来の目標によって大きく異なります。 障害特性、就労経験、希望する働き方などを総合的に考慮し、自分に合った事業所を見つけることが重要です。

6.1 障害の特性と個人の希望に合わせた選択

まず、自身の障害特性を理解することが大切です。身体障害、知的障害、精神障害など、障害の種類によって向き不向きがあります。例えば、体力に自信がない場合は、軽作業中心のB型事業所が適しているかもしれません。コミュニケーションに課題がある場合は、少人数制で個別支援が充実した事業所を選ぶと良いでしょう。また、将来的に一般企業への就職を目指している方は、就労に向けた訓練に力を入れているA型事業所がおすすめです。

同時に、どのような仕事がしたいのか、どのような働き方を希望するのかも明確にしておきましょう。自分の興味や得意なことを活かせる仕事を選ぶことで、就労意欲の向上に繋がります。フルタイムで働きたいのか、短時間勤務を希望するのか、在宅勤務を希望するのかなど、自身の希望に合った働き方ができる事業所を選びましょう。例えば、パソコン作業が得意な方であれば、データ入力やWebデザインなどの仕事ができる事業所を探すと良いでしょう。

6.2 事業所の見学と体験利用の重要性

事業所を選ぶ際には、実際に事業所を見学し、雰囲気や仕事内容を自分の目で確認することが非常に重要です。見学を通して、職員の対応や他の利用者の様子なども確認できます。また、体験利用できる事業所であれば、実際に作業を体験してみることで、自分に合った環境かどうかを判断することができます。体験利用を通して、仕事内容の理解を深めるだけでなく、職員や他の利用者とのコミュニケーションも体験できます。

見学や体験利用の際には、以下の点に注目しましょう。

項目確認事項
仕事内容自分にできる仕事か、興味を持てる仕事か
労働時間・賃金希望する働き方に合っているか
支援体制必要な支援を受けられるか
雰囲気働きやすい環境か
通所手段無理なく通所できるか

複数の事業所を見学・体験利用し、比較検討することで、自分に最適な事業所を見つけることができます。また、地域の就労支援機関やハローワークなどに相談することで、事業所選びのアドバイスを受けることもできます。積極的に情報収集を行い、納得のいく選択をしましょう。

7. 障害者雇用に関する助成金・補助金

障害者雇用を促進するために、国や地方自治体では様々な助成金・補助金制度が設けられています。これらの制度を活用することで、企業は障害者雇用に伴う費用負担を軽減し、より積極的に雇用に取り組むことができます。ここでは、代表的な助成金・補助金制度を紹介します。

7.1 助成金・補助金の種類と概要

障害者雇用に関する助成金・補助金は、その目的や対象者によって様々な種類があります。主な制度は以下のとおりです。

制度名概要対象者支給額
特定求職者雇用開発助成金就職困難者である特定求職者を雇い入れた事業主に対して支給される助成金。障害者も特定求職者に含まれます。特定求職者を雇い入れた事業主雇用形態や障害の程度などによって異なる
障害者職場定着支援助成金障害のある方の職場定着を支援するための取組を実施した事業主に対して支給される助成金。障害者を雇い入れ、職場定着のための取組を実施した事業主取組内容によって異なる
職場適応援助者助成金(ジョブコーチ支援)職場適応援助者を活用して障害者の職場適応を支援した場合に支給される助成金。職場適応援助者(ジョブコーチ)を活用した事業主ジョブコーチの派遣費用の一部
重度障害者等設備導入費助成金重度障害者等を雇い入れる際に必要な設備を導入する費用の一部を助成。重度障害者等を雇い入れる事業主設備導入費用の一部(上限あり)
障害者雇用納付金制度における報奨金障害者雇用率を達成している企業に対して支給される報奨金。法定雇用率を達成または超えている事業主納付金額の一部

7.1.1 助成金の活用事例

例えば、精神障害のある方をA型事業所で雇用する場合、「特定求職者雇用開発助成金」や「障害者職場定着支援助成金」の活用が考えられます。また、重度身体障害のある方を雇用し、専用の設備を導入する場合には「重度障害者等設備導入費助成金」の活用が効果的です。

7.2 申請方法と注意点

助成金・補助金の申請は、各制度ごとに定められた手続きに従って行う必要があります。申請書類の提出期限や必要書類なども異なるため、事前に管轄のハローワークや独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に確認することが重要です。また、助成金・補助金には予算の上限があるため、早期の申請が推奨されます。

これらの助成金・補助金を活用することで、企業は障害者雇用をよりスムーズに進めることができます。それぞれの制度の特徴を理解し、自社に合った制度を選択することが大切です。

8. よくある質問 FAQ

A型事業所とB型事業所について、よくある質問をまとめました。

8.1 A型事業所に関するFAQ

8.1.1 A型事業所で働く場合、雇用契約はありますか?

はい、A型事業所は雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます。一般企業と同様に、労働基準法が適用されます。

8.1.2 A型事業所で働くメリットは何ですか?

A型事業所のメリットは、安定した収入を得られること、一般企業への就職を目指すためのスキルアップ支援を受けられること、社会的なつながりを築けることなどが挙げられます。

8.1.3 A型事業所はどんな人が利用できますか?

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、様々な障害のある方が利用できます。ただし、ある程度の労働能力が求められます。

8.2 B型事業所に関するFAQ

8.2.1 B型事業所で働く場合、雇用契約はありますか?

いいえ、B型事業所は雇用契約ではなく、利用契約を結びます。そのため、労働基準法は適用されません。

8.2.2 B型事業所で働くメリットは何ですか?

B型事業所のメリットは、自分のペースで働くことができること、様々な作業を通して就労に必要なスキルを身につけることができること、社会参加の機会を得られることなどが挙げられます。

8.2.3 B型事業所はどんな人が利用できますか?

A型事業所と同様に、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、様々な障害のある方が利用できます。 就労経験が浅い方や、労働に不安のある方にも適しています。

8.2.4 B型事業所で働く場合、工賃はどのくらいもらえますか?

工賃は、作業内容や作業時間、事業所によって異なります。平均的な工賃は月額1万5千円~2万円程度と言われています。最低賃金は保証されていません。

8.3 A型事業所とB型事業所の比較に関するFAQ

8.3.1 A型事業所とB型事業所、どちらを選べば良いですか?

障害の特性、就労能力、将来の希望などを考慮して選択することが重要です。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った事業所を選びましょう。 事業所の見学や体験利用もおすすめです。

8.3.2 A型事業所からB型事業所、またはB型事業所からA型事業所への移行は可能ですか?

はい、可能です。状況の変化に応じて、A型事業所からB型事業所へ、またはB型事業所からA型事業所へ移行することができます。 まずは、現在の事業所の担当者に相談してみましょう。

8.4 障害者雇用に関するFAQ

8.4.1 障害者雇用に関する助成金や補助金はありますか?

はい、あります。独立行政法人日本労働政策研究・研修機構(JILPT)のウェブサイトなどで、最新の情報を調べてみましょう。

8.5 その他

項目A型事業所B型事業所
雇用形態雇用契約利用契約
賃金最低賃金以上工賃(最低賃金保証なし)
労働時間一般企業と同様個々の能力に合わせて調整

上記以外にも、ご不明な点があれば、お近くのハローワークや障害者就業・生活支援センターにご相談ください。

9. まとめ

この記事では、A型事業所とB型事業所の違いについて、定義や特徴、メリット・デメリットを比較しながら詳しく解説しました。A型事業所は雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が保証されるのに対し、B型事業所は雇用契約ではなく、工賃が支払われるという大きな違いがあります。どちらの事業所も障害者の方の就労を支援する場ですが、A型は一般企業への就職を目指すためのステップアップとして、B型は自分のペースで働くことを重視する方に適しています。

利用者側にとっては、A型は安定した収入と社会経験を得られるメリットがある一方、労働時間やノルマによる負担も考えられます。B型は自分のペースで働けるメリットがある一方、収入が比較的少ないというデメリットがあります。企業側にとっては、A型は即戦力となる人材を確保できるメリットがある一方、雇用管理の責任が生じます。B型は比較的低コストで業務委託できるメリットがある一方、生産性の確保が課題となる場合もあります。

A型、B型どちらを選ぶかは、障害の特性や個人の希望、将来の目標によって異なります。事業所の見学や体験利用を通じて、自分に合った働き方を見つけることが大切です。それぞれの特性を理解し、最適な選択をすることで、障害者の方々がより生き生きと活躍できる社会の実現に繋がると考えられます。